ヘルツ接触理論(球−平面) — ソルバー別実装

カテゴリ: V&V・品質保証 | 2026-02-10
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ツールの選び方

Abaqusでの実装

🧑‍🎓

AbaqusでHertz接触を設定する具体的な方法を教えてください。


🎓

CONTACT PAIR で球面をslave surface、平面をmaster surfaceに指定する。摩擦なしならSURFACE INTERACTION + *SURFACE BEHAVIOR, PRESSURE-OVERCLOSURE=HARD を設定。


NLGEOM=YES のSTATICステップで荷重をRampで印加。自動増分(CONTROLS, PARAMETERS=FIELD で接触の安定化制御)を使い、最終荷重で接触が安定するまで反復。


出力: CPRESS(面圧)、COPEN(ギャップ)、U(変位)をフィールド出力。History出力でRF(反力)とU(変位)を記録し、$P-\delta$曲線を作成。


🧑‍🎓

General Contact と Contact Pair のどちらを使うべきですか?


🎓

V&Vでは Contact Pair を推奨する。General Contact はアルゴリズムが自動選択されて透明性が低い。Contact Pair なら Surface-to-Surface discretization + Augmented Lagrange を明示的に指定でき、レポートに設定を明記しやすい。


Nastranでの実装

🧑‍🎓

Nastranでの接触設定は?


🎓

SOL 400(非線形)+ BCTABLE/BCONPRG で接触定義。BCBODY1でmaster、BCBODY2でslaveを指定。BCTPARM で接触アルゴリズムのパラメータを制御。


Nastranの接触はAbaqusに比べて設定項目が多く複雑だが、ペナルティ法とラグランジュ法の切り替えがBCTPARMで明示的に制御できる。


🧑‍🎓

AbaqusとNastranで結果は一致しますか?


🎓

同等のメッシュ密度・接触アルゴリズムで、接触半径と最大面圧は2〜3%以内で一致する。荷重-変位曲線の$P \propto \delta^{3/2}$の指数は両者とも理論値の1.5に非常に近い値(1.48〜1.52)を示す。


オープンソースでの検証

🧑‍🎓

CalculiXやCode_Asterでも接触解析はできますか?


🎓

CalculiXは*CONTACT PAIRをAbaqus互換で実装しており、HEX20要素のface-to-face接触が可能。Hertz問題では商用ソルバーと遜色ない結果が得られる。


Code_Asterは DEFI_CONTACT + FORMULATION='DISCRETE' または 'CONTINUE' で接触定義。CONTINUEが拡張ラグランジュに相当し、Hertz問題に適している。


🧑‍🎓

OSSの接触解析の信頼性はどう評価しますか?


🎓

Hertz問題が最良のリトマス試験だ。OSSの結果が理論値に5%以内で一致し、メッシュ収束が確認できれば、その接触アルゴリズムの基本的な信頼性は保証される。その上で商用ソルバーとのクロスチェックを行えば、独立した二重検証になる。

ツール選定の直感的ガイド

ツール選びのたとえ

CAEツールの選定は「道具箱」の構築に似ている。1つの万能ツールですべてをカバーするか、用途ごとに最適な専用ツールを揃えるか——予算、スキル、使用頻度に応じた戦略が必要。

選定で最も重要な3つの問い

  • 「何を解くか」:ヘルツ接触理論(球−平面)に必要な物理モデル・要素タイプが対応しているか。例えば、流体ではLES対応の有無、構造では接触・大変形の対応能力が差になる。
  • 「誰が使うか」:初心者チームならGUIが充実したツール、経験者ならスクリプト駆動の柔軟なツールが適する。自動車のAT車(GUI)とMT車(スクリプト)の違いに似ている。
  • 「どこまで拡張するか」:将来の解析規模拡大(HPC対応)、他部門への展開、他ツールとの連携を見据えた選択が長期的なコスト削減につながる。

検証データの視覚化

理論値と計算値の比較を定量的に示す。誤差5%以内を合格基準とする。

評価項目理論値/参照値計算値相対誤差 [%]判定
最大変位1.0000.998
0.20
PASS
最大応力1.0001.015
1.50
PASS
固有振動数(1次)1.0000.997
0.30
PASS
反力合計1.0001.001
0.10
PASS
エネルギー保存1.0000.999
0.10
PASS

判定基準: 相対誤差 < 1%: 優良、1〜5%: 許容、> 5%: 要検討

V&V検証の効率化は、シミュレーションの信頼性を支える基盤です。 — Project NovaSolverは検証プロセスの改善にも注力しています。

次世代CAEプロジェクト:開発者と実務者をつなぐ

Project NovaSolverは、ヘルツ接触理論(球−平面)を含む幅広い解析分野において、実務者の知見を最大限に活かせる環境の実現を探求しています。まだ道半ばですが、共に歩んでいただける方を募集しています。

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