摩擦なし接触の不安定性
摩擦なし接触の不安定性とは
先生、摩擦係数をゼロにして解析したら、結果が全然安定しないんです。
摩擦なし(frictionless)接触では、接触面の接線方向に拘束がないため、スライドが無制限に発生する。これが不安定性や非一意解の原因になる。対称構造でも数値的な擾乱で非対称な解が得られることがある。
摩擦がないほうがシンプルで解きやすいのかと思っていました。
直感に反するが、適度な摩擦は接触解析を安定させる。摩擦なし接触は、法線方向のみの拘束で接線方向が完全に自由だから、剛体運動モードが残りやすい。
エラーメッセージと対策
Abaqus
メッセージ: ***WARNING: ZERO PIVOT WHEN PROCESSING D.O.F. x OF NODE xxxx INDICATES POSSIBLE RIGID BODY MOTION
摩擦なし接触で平板が滑る方向に拘束がない場合に発生。対策として:
- 微小な摩擦(μ = 0.01程度)を導入
*CONTACT CONTROLS, STABILIZEで安定化- 対称境界条件で滑り方向を拘束
Nastran
NastranではBCTPARAのFRIC=0.0でも安定する場合が多いが、PARAM,AUTOSPC,YESの併用が推奨される。不安定な場合はSPCD(強制変位)でガイドする。
Ansys
AnsysではFrictionless接触タイプで不安定が発生したら、Frictionalに変更してμ=0.001〜0.01を設定する。もしくはWeak Springを有効にする。
微小な摩擦を入れるのと、弱いバネを入れるのと、どっちがいいんですか?
物理的に摩擦が存在するなら、たとえ小さくても摩擦を入れるべきだ。完全に滑らかな面は現実にはほぼ存在しない。弱いバネは、摩擦を入れても安定しない場合の最終手段だ。
ソルバーエラーの原因特定に費やす時間は、もっと短くできるはず。 — Project NovaSolverはエラー診断体験の改善を研究テーマの一つとしています。
次世代CAEプロジェクト:開発者と実務者をつなぐ
Project NovaSolverは、摩擦なし接触の不安定性を含む幅広い解析分野において、実務者の知見を最大限に活かせる環境の実現を探求しています。まだ道半ばですが、共に歩んでいただける方を募集しています。
開発パートナー登録 →