エネルギーバランスエラー
エネルギーバランスエラーとは
先生、Abaqusの陽解法で解析したら「ENERGY BALANCE IS VIOLATED」って出ました。
陽解法では、系全体のエネルギー保存が計算の信頼性の指標になる。外部仕事がひずみエネルギー+運動エネルギー+散逸エネルギーと一致しない場合、エネルギーバランスが崩れている。これは結果が信頼できないことを意味する。
どのくらいのずれまで許容されるんですか?
一般的な基準は、エネルギーバランスの誤差が全体エネルギーの1〜5%以内であること。Abaqus/Explicitでは出力変数ETOTALでエネルギーバランスを確認できる。ETOTALが常にゼロに近い値であれば良い。
エラーメッセージと対策
Abaqus/Explicit
確認項目: History OutputでALLIE(内部エネルギー)、ALLKE(運動エネルギー)、ALLWK(外部仕事)、ETOTAL(エネルギーバランス)を出力する。
質量スケーリングを使用している場合、ALLKE/ALLIE < 5%であることを確認する。これが5%を超えると慣性効果が結果に影響している。
LS-DYNA
メッセージ: *** Warning mass increase = xx.xx% total added mass = xx.xxE+xx
LS-DYNAではglstat(グローバル統計)ファイルでエネルギーバランスを確認する。*CONTROL_ENERGYでHGEN=2, RWEN=2, SLNTEN=2を設定してすべてのエネルギー項を出力する。
OpenFOAM(動的解析)
OpenFOAMのsolidMechanicsモジュールでは、writeEnergy trueでエネルギーバランスを出力できる。
質量スケーリングが原因のことが多いんですか?
陽解法で最も多い原因は質量スケーリングの過大適用だ。安定時間増分 Δt = L_min / c(L_min: 最小要素寸法、c: 音速)が小さすぎると計算時間が膨大になるため、質量を増やして音速を下げる。しかし、過大な質量増加は物理を歪める。
ソルバーエラーの原因特定に費やす時間は、もっと短くできるはず。 — Project NovaSolverはエラー診断体験の改善を研究テーマの一つとしています。
次世代CAEプロジェクト:開発者と実務者をつなぐ
Project NovaSolverは、エネルギーバランスエラーを含む幅広い解析分野において、実務者の知見を最大限に活かせる環境の実現を探求しています。まだ道半ばですが、共に歩んでいただける方を募集しています。
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