標準k-εモデル — ソルバー別設定ガイド

カテゴリ: 流体解析 | 2026-02-10
k-epsilon-standard-vendor
ツールの選び方

Ansys Fluent

🧑‍🎓

Fluentで標準k-εモデルを設定する手順を教えてください。


🎓

Fluent GUIでの設定手順はこうだ。


1. Models → Viscous → k-epsilon (2 eqn) を選択

2. k-epsilon ModelStandard を選ぶ

3. Near-Wall TreatmentStandard Wall Functions を選ぶ

4. Model Constants はデフォルト値のまま($C_\mu=0.09$, $C_{\varepsilon 1}=1.44$, $C_{\varepsilon 2}=1.92$)


🎓

TUIコマンドなら以下だ。

```

/define/models/viscous/ke-standard yes

/define/models/viscous/near-wall-treatment/standard-wall-fn yes

```


🧑‍🎓

Fluentの壁関数オプションの違いは何ですか?


🎓

Fluentでは3種類ある。


壁関数$y^+$ 要件特徴
Standard Wall Functions30〜300Launder-Spalding。最も基本
Scalable Wall Functions任意$y^+<11.2$ の場合に補正
Enhanced Wall Treatment$y^+ \approx 1$2層モデル。壁面解像メッシュが必要

Ansys CFX

🧑‍🎓

CFXではどう設定しますか?


🎓

CFX-Preで Domain → Fluid Models → Turbulence → k-Epsilon を選択する。CFXはデフォルトでScalable Wall Functionを使うので、$y^+$ が小さくなっても自動対応する。CCLで書くとこうだ。


```

TURBULENCE MODEL:

Option = k-Epsilon

END

```


OpenFOAM

🧑‍🎓

OpenFOAMでの設定方法は?


🎓

constant/turbulenceProperties に以下を記述する。


```

simulationType RAS;

RAS

{

RASModel kEpsilon;

turbulence on;

printCoeffs on;

}

```


🎓

壁面境界条件は 0/ ディレクトリで各変数に設定する。


```

// 0/k の壁面パッチ

wall

{

type kqRWallFunction;

value uniform 0.1;

}

// 0/epsilon の壁面パッチ

wall

{

type epsilonWallFunction;

value uniform 10;

}

// 0/nut の壁面パッチ

wall

{

type nutkWallFunction;

value uniform 0;

}

```


STAR-CCM+

🧑‍🎓

STAR-CCM+ではどうですか?


🎓

Physics Continuum で以下を選択する。


1. TurbulentRANS

2. K-Epsilon TurbulenceStandard K-Epsilon

3. Wall TreatmentHigh y+ Wall Treatment(壁関数使用時)


STAR-CCM+ではAll y+ Wall Treatmentも選べる。これは $y^+$ の値に応じて壁関数と壁面解像を自動的にブレンドする。


Coffee Break よもやま話

レイノルズの実験(1883年)——乱流発見の瞬間

オズボーン・レイノルズは、管内の水にインクを流す実験で「層流から乱流への遷移」を発見しました。流速を上げていくと、インクの線がある瞬間にグチャグチャに乱れる。この劇的な瞬間を、レイノルズは数学的に $Re = \rho uD/\mu$ という無次元数で表現した。100年以上経った今も、CFDエンジニアが最初に確認するのはこのレイノルズ数です。

ツール選定の直感的ガイド

ツール選びのたとえ

CFDツールの選定は「カメラの購入」に例えられる。スマートフォンのカメラ(簡易CFDツール/クラウドCFD)は手軽だが限界がある。一眼レフカメラ(商用CFDソルバー)は高性能だが重くて高価。プロ向けの中判カメラ(カスタマイズ可能なOpenFOAM等のOSS)は最高画質だが操作が難しい。目的に応じた選択が重要。

選定で最も重要な3つの問い

  • 「何を解くか」:標準k-εモデルに必要な物理モデル・要素タイプが対応しているか。例えば、流体ではLES対応の有無、構造では接触・大変形の対応能力が差になる。
  • 「誰が使うか」:初心者チームならGUIが充実したツール、経験者ならスクリプト駆動の柔軟なツールが適する。自動車のAT車(GUI)とMT車(スクリプト)の違いに似ている。
  • 「どこまで拡張するか」:将来の解析規模拡大(HPC対応)、他部門への展開、他ツールとの連携を見据えた選択が長期的なコスト削減につながる。

CFDメッシュの品質管理や乱流モデルの選定に悩む時間を、もっと創造的な設計作業に使えたら。 — Project NovaSolverはそんな実務者の声から生まれました。

標準k-εモデルの実務で感じる課題を教えてください

Project NovaSolverは、CAEエンジニアが日々直面する課題——セットアップの煩雑さ、計算コスト、結果の解釈——の解決を目指しています。あなたの実務経験が、より良いツール開発の原動力になります。

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